戸田越後守が開き、戦国の時代に隆盛を誇った戸田流。気楽流は、その戸田流武術を受け継いだ七代目渡辺杢右衛門が、新たに柔術の技を加えて創始したと言われている。気楽流中興の祖とされる飯塚臥竜斎は、上州に生まれ、叔父より気楽流と戸田流を学んだ。気楽流十代目宗家を継承した臥竜斎は、さらに広く諸流派を研究。後に、気楽流、戸田流に無敵流を合わせて、気楽流三術の重術として完成させ、広く上州地方に伝えたのである。
その技は、棒や、戸田流半棒術の奥義に伝わる真剣白刃取りの秘密武器である契木、鎖鎌、鉄扇と、様々な武器術に、掴み手、投げ手といった柔術の体捌きが加わり、千変万化に変化する。
時代と共に歴史の陰に身を潜めた幻の武術・気楽流を、飯嶌文夫第19代宗家が紹介する。